shiro

ひとりぼっちという贅沢

今日の映画『博士と彼女のセオリー』

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きまぐれ映画日記始まります。

 

映画大好きです。

最近入った趣味でして、それまではずっとアニメばかり見ていました。

実は音楽といいアニメといい、少しマイナーなものが好みでして…

一つ作品の趣味が合えば、その人とはもう大親友です^^

 

 

最近でいうところの、鬼滅の刃や呪術回線、東京リベンジャーズなどは、認知度も高くて子供から大人までどの年齢層からも人気なので、そこで共感できても、じゃあ他の作品でも趣味が合う!ってことなかなかないんですよね…

 

アニメ関連は話長くなっちゃうので他のブログで書きますね。

 

 

 

 

では、きょうの一本はこちら。

 

 

 

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博士と彼女のセオリー

 

アマゾンプライムからおすすめされたので、気になって視聴しました。

評価もかなり高く、視聴する前から期待がありました。個人的にはあのE.レッドメインが主役であることが視聴する決めてでした。

 

 

 

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博士と彼女のセオリー (字幕版)

 

 

E.レッドメインといえば『ファンタスティックビースト』のニュート役や、博士と彼女のセオリーの翌年に主演を務めた『リリーのすべて』で、世界で初めて性転換手術を受けたトランスジェンダーのリリー役を演じたことが記憶に新しいですよね。

 

 

彼の演技は病的なほどにリアルで、演じているというよりは、その人物が本当に彼”自身”のように感じます。病状が進んで、手足の動きや口の動きがだんだんと麻痺していく様子はどこをとっても自然で圧巻。心理描写も巧みで、視線、目の輝き、間の取り方など、全身を満足に動かすことのできない環境の中で限られた要素を駆使し、まさに命を削った演技をしていました。

役と同化してしまっているのではないかと、思わず心配になってしまうほどに彼の熱量にはただただ感服するばかりです。

 

 

 

あらすじ

 

スティーヴン・ホーキング博士の伝記映画です。お恥ずかしながらこの映画を見るまで彼のことは知りませんでした。

 

大学で物理学を学んでいたホーキングが、ある日いきなりALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され、余命二年を宣言されます。周りから変人と揶揄されながらも、パーティーで出会ったジェーンいう女性と惹かれ合ったり、教授から評価されたうえに自分の研究したいテーマも定まり、これからという矢先の出来事でした。

 

ALSについて簡単に説明すると、全身の筋肉がだんだんと衰えてしまう病気です。手足や口、呼吸器などの筋肉が痩せていってしまい、最後には呼吸もままならなくなり死に至ります。そして治療法はいまだに確立されていません。

 

ホーキングはこの難病を大学生の時に発症しました。絶望に打ちひしがれましたが、彼の友達や教授はよき友人として彼を支え、彼女のジェーンも彼を献身的に支え続けることを決心します。

 

 

ジェーンとホーキングが大学の草原の上で、ホーキングの研究テーマに合わせて「宇宙の始まりまで時間を巻き戻そう」とくるくると回って戯れているシーンがとても可愛いです。パッケージデザインにも採用されています^^

 

 

 

最後にホーキングの人生を巻き戻す「逆再生シーン」があるんですが、ここのシーンが「巻き戻そう」といってくるくる回っていた二人を意識しているのかなと感じました。

博士が研究していたテーマが”時間”に関するものなのでそういった意味でも粋な演出です。

 

映画の後半で、ホーキングのALSの病状が進んだ姿を見た後に、時間が巻き戻ってジェーンと出会ったシーンを再び見た瞬間は、正直とてもつらかったですが、このシーンによって映画の重要なキーワードである”命”を深く実感できると思います。

 

全体的にテンポよく綺麗にまとめられていて、とても見やすい映画でした。

 

 

 

 

 

ただ、悪い意味で気になった点もありました。

映画を見ていて引っかかったのが、ジェーンの心理描写の少なさです(ネタバレあり)。

※未視聴の方は点線のところまで飛ばしてください。

 

ジェーンはホーキングとの結婚後に3人(結婚から2年後に長男ロバートくん、その3年後に長女ルーシーちゃん、その9年後に次男ティモシーくん)の子供をもうけます。

 

長男が誕生したときの幸せも、長くは続かず、年月がたちホーキングの病状が進むにつれて重労働な介護が必要となります。

ホーキングが医者や介護士を拒否するため、まだ小さい子供のお世話をするジェーンの負担は増していくばかりでした。

子育てや介護を経験したことのあるかたには、ジェーンの苦労は想像に難くないと思われますが、映画でそのようなシーンは匂わせ程度にしか描写されておらず、ジェーンの負担が共感できない観客にはその苦労は画面越しにほとんど伝わってこないのではと感じました。

 

また、基本的にホーキングの視点を中心に話しが進んでいき、妻の苦労や心理描写がホーキングの視点を介して嫌みや小言を言う程度にしか描かれていません。それなのに妻から急に「これまでのあなたとの人生、とても長かった。あなたのことを愛していたわ。」離婚を切り出されても、あまりに唐突で、ジェーンの気持ちを考えるよりも先に「え、急にどうしたの」と感じてしまいました。

 

実はそのシーンの前にはジョナサンも登場しており、2人が惹かれ合うかのような描写も描かれています。

 

ジェーンはジョナサン(物語の中盤に登場する聖歌隊の指揮者の男性)に乗り換えて、ホーキングから離れていった最低な女だと、一面的に捉えてしまう人もいるのではないでしょうか。

 

 

映画には話のテンポ感や、役者の見た目の問題から、ジェーンが30年もの間ホーキングと過ごしていたことが描かれていません。時間の変化をほとんど感じられないため、ジェーンは若さが子供のお世話だけでなくホーキングの介護に奪われていくことが嫌になり、魅力的なジョナサンに走った女性として受け止められてしまうと危惧しました。

 

 

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エディはこれらの『博士と彼女のセオリー』と『リリーのすべて』で二年連続アカデミー賞主演男優賞にノミネートされています。

 

残念ながらリリーのすべてでは受賞を逃していますが、私個人的には二年連続で受賞する快挙を打ち出す作品であったと思っています^^

 

 

 

 

 

 

下記はE・レッドメインが出演しているおすすめ作品です。

 

 

おすすめ作品のひとつ『ファンタスティックビースト』は、ハリーポッターシリーズの続編です。心優しい動物学者のニュートを演じています。少しコミュ障で人と話すときにキョドっている様子が可愛いです。

 

ファンタスティックビースト

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おすすめの作品2作目『リリーのすべて』は衝撃の作品でした。

世界で初めて性転換手術を受けた人物のヒューマン映画です。

身体は男性、心は女性のトランスジェンダーを演じています。

主人公はアイナー・ヴェイナーというトランスジェンダー女性で後にリリーと名前を改めます。混乱してしまうのでどの時系列でも呼び名はリリーに統一します。

 

 

 

今の時代でも性的少数者への理解と支援が十分とは言えませんが、この時代の彼女の孤独と恐怖は計り知れません。ただ今回の作品はあくまでヒューマン映画ですので、焦点は主に男から女へと変化を遂げていくリリーと、妻・ゲルダとの関係にあてられます。

 

エディの男性から女性への心の変化、手の仕草や表情はとても繊細で、女性になっていくリリー自身の美しさには思わず感嘆のため息をついてしまいます。

 

 

 

 

実は、主人公リリー・エルベは絵画のモデルとして女性の衣装を着させられることで自信の女性の部分に気づきます。

 

そして、そのモデルをお願いした人物はなんとリリー自信の”妻・ゲルダ”でした…。女として生きていくと決めたリリーと、”夫”として愛している妻との気持ちのすれ違いがなんとも切ないです。

 

高評価なことはうなずけるし、エディの凄さを身にしみて感じることができました。

けれどもう一度見ますか?と問われたら私は今のところNoを出します。

実は私の映画を見終わった後に残った気持ちは、「考えさせられるな」という満足感よりも、大きな後味の悪さでした。

 

多分、私でも知らず知らずのうちにこの映画のテーマの大きな渦に巻き込まれていたんだと思います。

 

 

自分の心のままに生きたいリリー、いきなりパートナーが外側も中身も変わってしまい混乱するゲルダ

誰も悪くないのに誰もが苦しむ不条理な世界に、私自身不安なのか、悲しさなのか、同情なのかよくわからない気持ちになりました。

 

 

 

二回目を視聴するには気持ちの準備が必要ですけど、

とはいっても他人にはおすすめします笑

 

 

リリーのすべて

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博士と彼女のセオリー』と『リリーのすべて』はノンフィクションのヒューマン映画なので、実際に調べてみると、脚色された部分が多く見受けられます。見終わった後に比較してそのギャップを楽しんでみるのもありですよ。

 

 

 

では、今日はこのへんで。